〜憑神ドーナツ事変〜
作:ヤドカリ様



「まるまるルンルンドーナッツ♪おいしいおいしいドーナッツ♪あまくてまあるいドーナッツ♪」
フフンと鼻歌、だって今日も絶好調なのです。
甘くておいしい生地ができて、たくさんたくさんドーナッツができて。
「ふふー」
今日もきっと、みんなが美味しく食べてくれる。
それを想像するだけで、私は今日も嬉しくなっちゃいます。
私のドーナツ屋さんは、だってきっと今日も大盛況。
可愛い女の子たちがいっぱい来てくれますからね。
「だっかっら♪生地をコネコネ伸ばして丸めて♪生地をコネコネ丸めてまとめて♪」
半分はすぐにドーナツにして、それから半分は生地のまま。
みんなの前でおいしいドーナツができあがる瞬間を見てもらうのです。
出来立てが美味しいのは、みんな知っていますからね。
いい色になって、できあがってきました。
「ふふ、最初の一個は私が味見ー」
ドーナツ屋さんの特権ですね。
んー、おいしい!!
やっぱりドーナツは最高です。
もう一つ食べちゃおうかな。
いいえ、だめです。
残りはみんなのドーナツ。
「それに、あんまり食べ過ぎるとドーナツになっちゃいますもの」
なーんちゃって。
チリンチリン
おや、まだお店は開いていないのにお客さん?
「おやおや、あなたはケーキ屋さんじゃないですか」
ひょいと顔を出してみれば、そこに居たのはケーキ屋さん。
一体どうしたのでしょう。
「ナレバイイジャナイ」
え?
「ドーナツ好キナンデショ?」
はい、そうですけど。
「アナタモ、ドーナツニナレバイイノヨ」
そういうと、ケーキ屋さんの姿が変わって。
私はその手のボールに吸い込まれて。
くるくるとかき混ぜられて。
溶けて、キモチクテ。
そして……
ソシテ…
………

「マルマルルンルンドーナッツ♪オイシイオイシイドーナッツ♪アマクテマアルイドーナッツ♪」
フフンと鼻歌、だって今日も絶好調なのです。
甘くておいしい生地ができて、たくさんたくさんドーナッツができて。
「ウフフ」
今日もきっと、みんなが美味しく食べさせてくれる。
それを想像するだけで、私は今日も嬉しくなっちゃいます。
私のドーナツ屋さんは、だってきっと今日も大盛況。
可愛い女の子たちがいっぱい来てくれますからね。
「ダッカッラ♪生地ヲコネコネ伸バシテ丸メテ♪生地ヲコネコネ丸メテマトメテ♪」
半分はすぐにドーナツにして、それから半分は生地のまま。
みんなの前でおいしいドーナツができあがる瞬間を見てもらうのです。
出来立てが美味しいのは、みんな知っていますからね。
チリンチリン
おや、お店の鈴が鳴りました。
もうそんな時間なんですね。
「ドーナツくださーい」
始めにやってきたのはちかくの学校の女の子。
いつもやってきてくれる可愛い女の子。
いつもたくさん食べてくれる可愛い女の子。
でもでも。
「最初ノ一個ハ私ガ味見♪」
とっても美味しそうな女の子。
両手でしっかり捕まえて、大きな口で頭からごっくん。
「ウーン美味シイ」
やっぱりドーナツは最高です。
あの娘もこんなドーナツになれて最高なんです。
だって私の体はドーナツ、おいしいおいしいドーナッツ。
体がポコンと一段増えます。
あの子が美味しいドーナッツになったのです。
いっぱい食べてみんなドーナツにしちゃうのです。
だって美味しい美味しいドーナッツ。
だれだって幸せ。
チリンチリン
オヤオヤ今度は団体さん。
よく来てくれる可愛い可愛い学生さん達。
綺麗に御行儀よく並んで、まるでショーケースにはいったドーナツみたい。
「ウフフ、オイシイドーナツスグデキルカラネ」
味見したいけど我慢我慢。
半分は生地にして目の前で作るのです。
出来立てはおいしいって、誰もが知ってますからね。
学生二人を捕まえて、ヒョイッと肩に通します。
リングを通ればあら不思議、人の形のおいしいドーナツ生地が。
でもでも、人の形をしているとオイシイドーナツになれない。
だからそれを2つとも、えいっと力を込めて潰しちゃうのです。
そしたら丸く形を作って、油でエイッとあげちゃいます。
すぐにも美味しいドーナツが出来上がり。
出来上がった2つのドーナツを待ってる二人にあげちゃいます。
「ハイ、オイシイヨ」
だって美味しいおいしいドーナツだから、熱いけど二人は頑張って食べてくれます。
そして、トロンとした表情でうっとりと。
「ああ、おいしい」
と言ってくれるのです。
ドーナツ特権ですね。
だから私は二人を捕まえて、大きく口を開けます。
二人まとめてゴクリ。
チリンチリン
ドーナツを食べた後の娘の味は格別です。
すぐにも私の体に美味しいドーナツが二段追加されました。
「ひっ、ドーナツのお化け!?」
おや、気づけばお客が一人来ています。
近くの学校の和服が似合う学生さん。
真っ黒ぱっつんの学生さん。
でもでもあれれ、どうして逃げるの?
「ドーナツオイシイヨ!!」
ドーナツを食べてくれないのはダメ!!
だから私は体のドーナツをエイっと投げて学生さんを捕まえます。
「い、いやぁ」
そんな彼女を持ち上げて大きく口を開けて……
いやいや、ちょっと待ちましょう。
私は彼女をよおく見ます。
つやつやに綺麗な黒髪はまるで、あんこのようではありませんか。
「あんドーナツダネ!!」
そう、それがいいです。
だから私は生地を取り出して、彼女をペタペタ囲っていきます。
あまーい、生地で、あまーいあんこになって欲しくて。
「い、いや。私、あんこになんてなりたくない」
「大丈夫、アンドーナツモドーナツダヨ?」
優しく不安を取り除いてあげると、私は彼女をすっかり生地で覆ってしまいました。
そのまま油でおいしい色になるまで揚げます。
出来上がったのはとても美味しそうなアンドーナツ。
私はあつあつのそれを二つに割って見ました。
中から出てきたのはほっこりほかほかで甘い匂いのあんこ。
その色はそのまま彼女の髪の色のよう。
うん、やっぱりあんこが似合うね。
頷いて私はそれを一息に食べちゃいます。
「ウンヤッパリドーナツハオイシイ」
次の娘、早くこないかな。
おいしいドーナツが待ってるよ。




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